「日本の家」展@近美にて

東京国立近代美術館で現在開催中の、「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展を見に行きました。この展覧会はローマやロンドンでも開催された巡回展です。

戦後日本の復興時期を起点として、核家族という新しい家族形態が生ずる中で、日本の建築家が行ってきた設計の営みを紹介する壮大な展覧会です。私の大学時代の先生の建築家の作品もありました。そんなわけで、いささか総花的で特に1970年代の扱いに気になった部分もありましたが、一般的な意味で今日の住まいのルーツを知るのには良い展覧会だと思いました。

特に、清家清が設計した有名な《斎藤助教授の家》(1952)の原寸大復原模型(↓)は秀逸でした。実際に、靴を脱いで上がって体感できるのです。パーツのいくつかは保存されたオリジナルを用いたものだそうです。

モダニズム建築と和風建築のシンプルな良さが見事に融合しています。なるほど近代建築の巨匠グロピウスが感激した気持ちも分かります。

地面から微妙に浮遊する床と天井、元はただそれだけなのに、畳や家具が置かれ建具が挿入されただけで多様な場所が生み出される・・・そんな感じです。ぶ厚い仕切りが空間を作るのではなく、住む人が居るところが空間を成すという、日本の伝統的なスタイルが下敷きになっています。

(↑)の椅子も渡辺力の有名な《ひも椅子》(1952)です。実際に座れて感動でした。

書けばきりがないです。皆様も実際に行かれてみてはいかがでしょうか。

「日本の家」展@近美にて

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