休日の午後、ふと学生の頃暮らしていた大田区大森のことを思い出し、付近を少し散歩しました。正確に言えば、当時住んでいたアパートのそばにかなり奇妙な「つの」の形をした建物があったことを思い出したからです。(↓)。
駅前の大森山王の高台に聳え、どこからも見えたその建物はフラワーデザインの学校の建物で、後で知ったのですが、実は岡本太郎の設計による建物だったそうなのです。1970年万博で有名な「太陽の塔」以外では(これが建築かオブジェかという問題があるかもしれないが)唯一の建築作品だとのことです。
しかし、そのことに気付いた頃の私は別の場所に引っ越し、建物も既に建て替えられてもうありません。ほぼ毎日通り過ぎていたのに写真の1枚も撮らずにいたのをちょっと後悔しました。
そういうわけで、何の気なしに、もう一度その建て替えられた建物に行ってみたくなったわけです。
行ってみると、建替え済の建物にはアートな雰囲気の売店がありしかじか事情を話したところ、やはり同じように気になって訪れて来られる人はおられるとのことでした。
そしてレジの脇に飾ってあった、過去の岡本太郎による建物の写真絵葉書を、これは古くなったとのことで無料でくださいました。やっぱり正直に話してみるもんですね。私はこの展開に驚きつつも心の中で狂喜してしまいました。その葉書を撮ったのが上の画像ということです。
新しくなった建物にも、よく見れば恐らく岡本太郎が手掛けたものをそのまま残したと思われるオブジェ風の表札(↑)や、有名な「座るのを拒絶する椅子」(↓)などが置いてありました。青い外装タイルも一部再利用されていました。
というわけで、ちょっとした岡本ギャラリーの風情に浸りつつなかなかな良い午後のひと時を過ごすことができました。
大森散歩、岡本太郎の建築作品のこと